『新潮』2月号に藤野可織さん『ドレス』書評、『文藝』2018年春季号に、青山七恵さんの『踊る星座』書評が掲載されました

『新潮』2月号に藤野可織さん『ドレス』(河出書房新社、2017)の書評を書きました。タイトルは「レジスタンスするドレス」です。生の不穏さや不安定さを透徹した目で描いてきた藤野さんの新作はこの時代のあたりまえと戦うため、レジスタンスするドレスに着替える人たちの話でもあると思います。ぜひ。

ドレス

ドレス

『文藝』2018年春季号に、青山七恵さんの『踊る星座』(中央公論新社、2017)の書評を書きました。タイトルは、「今は六等星くらいに見える星が」です。周囲の人々との関係性に惑いながら、厄介ごとと対峙する「わたし」の奮闘がユーモアと切実さをもって迫ってくる作品です。

踊る星座 (単行本)

踊る星座 (単行本)

 2017年12月7日発売。「文學界」1月号に「新人小説月評」最終回が掲載されました

文學界」の「新人小説月評」最終回でした。あたうかぎりその作家のすべての小説を読み、参考文献も調べるという方針でやってきました。今月は、前田司郎さん、坂口恭平さん、ふくだももこさんら、多分野で創作をしている方ばかりで、新しい発見がたくさんありました。ひとつひとつの言葉の中に、ひとつひとつの表現の中に、今を映す小説ばかりです。ぜひごらんください。2017年下半期のベスト5も。

文學界2018年1月号

文學界2018年1月号

 2017年10月28日発売。「ユリイカ」11月臨時増刊号に「志村貴子における約束」という論考を寄稿しました。

10/28発売の「ユリイカ」11月臨時増刊号に「志村貴子における約束」という論考を寄稿しました。「約束」をキーワードにして、「放浪息子」の二鳥くんが「ぼくの記録」を書くまでの過程やユキさんたち伴走する大人たちについて書きました。「放浪息子」、「青い花」、「敷居の住人」など、私にとって志村貴子さんの漫画は人生を変えてくれたので、うれしいです。私の論考は以下のように終わります。

祈るようにして、「その先にもずっと続く生活」を思い描き、「未来の可能性」を肯定すること。それが伴走する大人たちによってなされる約束だ。志村貴子における約束は終点を始点とすることによって果たされる。(岩川ありさ志村貴子における約束」)

本当にこのあり方が志村さんの漫画の根底にあるような気がします。
他の作品にも触れています。志村さんの漫画の魅力をたくさん伝えられたら嬉しいです。
10/28発売「ユリイカ志村貴子さんの特集号、ぜひ!

2017年10月7日発売。『新潮』11月号に高橋弘希さん『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』(講談社)書評、『群像』11月号にはあちゅうさん『通りすがりのあなた』(講談社)書評、『文學界』(2017年11月号)に「新人小説月評」を寄稿しました。

 高橋弘希さん『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』(講談社)の書評を『新潮』11月号に寄せました。自助グループを舞台に、生と死を描くこの小説は、デビュー作以来の高橋さんの主題である「言葉では書き下ろせない対象」と対峙しています。決定的に重要な単行本での加筆についても言及しました。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/backnumber/20171007/

日曜日の人々

日曜日の人々

 『文學界』(2017年11月号)に「新人小説月評」を寄稿しました。とりあげたのは、春見朔子さん「きみはコラージュ」(すばる)、今村夏子さん「木になった亜沙」(文學界)、早助よう子「市民相談家」(文學界)。今月は3作でしたが、底力があり、ひとひねりの効いた作品が揃ったような気がします。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/index.htm

 今村夏子さんの短編「木になった亜沙」(『文學界』10月号)は現代の「変身物語」といってもよい力作。他者から拒まれ続けた亜沙や亜沙のような経験をした人々の叫び声がこの小説には木霊している。そして、その叫びを聴く感受性を持っている人ほど社会の片隅に追い詰められる現在を浮き彫りにする。

 春見朔子さんの新作「きみはコラージュ」(すばる)では、姉の支配下(影響下)にあることの不安と愛されたい気持ちのぶつかり合いが、物語の構成から文体にいたるまで見事に描かれています。前作「そういう生き物」で繊細な描写を重ねた作家が別のモチーフでもしっかりと本領を発揮したように思います

文學界2017年11月号

文學界2017年11月号

 2017年10月7日発売。『群像』11月号にはあちゅうさん『通りすがりのあなた』についての書評を寄せました。書評のタイトルは、「半径六三七八キロメートルの孤独」です。『群像』のホームページで全文読めます。
http://gunzo.kodansha.co.jp/48082/50298.html

通りすがりのあなた

通りすがりのあなた

 2017年9月21日発売 川上未映子責任編集『早稲田文学増刊女性号』に論考「クィアな自伝―映画「ムーンライト」と古谷田奈月『リリース』をつないで」掲載中です。ぜひご覧ください。


川上未映子さん責任編集『早稲田文学増刊 女性号』に、「クィアな自伝―映画「ムーンライト」と古谷田奈月『リリース』をつないで」という論考を書かせていただきました。9月21日(木)発売。556頁の特大増刊号です。ぜひお手にとってください。http://www.bungaku.net/wasebun/magazine/wasebun2017women.html

早稲田文学増刊 女性号 (単行本)

早稲田文学増刊 女性号 (単行本)

目次は以下の通りです。

川上未映子 巻頭言


巻頭詩 エドナ・セント・ヴィンセント・ミレー 小澤英実=訳
石垣りん


ルシア・ベルリン 岸本佐知子=訳・解説 掃除婦のための手引き書
多和田葉子 松永美穂=訳 空っぽの瓶ボトル


津村記久子 誕生日の一日
佐藤文香 神戸市西区学園東町


イーユン・リー 篠森ゆりこ=訳 かくまわれた女
小山田浩子 蟹


図版 井上佐由紀


伊藤比呂美  夏のおわり。秋のはじめ。
今橋愛 そして
文月悠光 発動せよ


中山奈々 O-157
東直子 青葡萄
左川ちか


松田青子 許さない日
ロクサーヌ・ゲイ 野中モモ=訳 わが父の死去にあたり
イ・ラン Ko Younghwa=訳 韓国大衆音楽賞 トロフィー直売女


堀越英美 女の子が文学部に入るべきでない5つの理由
山崎まどか 私はいかに心配するのをやめて、フェミニストと名乗るようになったか。


石垣りん
中島みゆき


蜂飼耳 彼女の中の女
井上法子 素直に届けられる夜


永瀬清子
盛田志保子 季節に
川口晴美 世界が魔女の森になるまで


早坂類
茨木のり子


古谷田奈月 無限の玄
雪舟えま 俺たちフェアリーている(短歌版)七十七首
松井啓子 のどを猫でいっぱいにして


ノラ・ゴムリンガー  松永美穂=訳・解説
ヴァージニア・ウルフ 片山亜紀=訳・解説 ロンドン散策――ある冒険
エドナ・セント・ヴィンセント・ミレー 小澤英実=訳・解説


葛原妙子
中島悦子 被流の演技
安立スハル
鈴木しづ子


鈴木晴香 生まれてきた日を覚えていない
野口あや子 エレクトラ・ハレーション
神田さよ 鎮める


齋藤史
原幸子
池田澄子


最果タヒ 白い花
銀色夏生 壁と満月


CRY IN PUBLIC マニフェスト


ジーン・リース 堀江里美=訳 ジャズと呼ばせておけ
村田沙耶香 満潮
盛可以 河村昌子=訳・解説 経験を欠いた世界
藤野可織 私はさみしかった
今村夏子 せとのママの誕生日


おさないひかり 柔らかい、つるつるの毛の生えた soft, sleek hair is growing
川上未映子 変奏
栗木京子
黒田夏子 るす絵の鳥


樋口一葉 川上未映子=訳 大つごもり


小平麻衣子 林芙美子・〈赤裸々〉の匙かげん――『放浪記』の書きかえをめぐって――
江南亜美子 21世紀の女性作家たち


豊彩夏 変身――松浦理英子『親指Pの修行時代』、女の子たちのパロディ的カルチャーについて――
岩川ありさ クィアな自伝――映画「ムーンライト」と古谷田奈月『リリース』をつないで


チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ くぼたのぞみ=訳 イジェアウェレへ――あるいは十五の提案に込めたフェミニストマニフェスト
柴田英里 いつまで?被害者?でいるつもり?――性をめぐる欲望と表現の現在
図版 橋爪彩


haru. どこかの誰かさんへ


菅野つかさ+中西歩乃歌(Scarlet&June+野中モモ川上未映子 インディペンデントメディアという「場」


桐野夏生川上未映子 女性と地獄


小澤英実+倉本さおり+トミヤマユキコ+豊崎由美 司会:斎藤美奈子 われわれの読書、そのふたつの可能性〜批評と書評〜


ブックガイド フェミニズムと女性に近づくかもしれない23冊


巻末詩 栗木京子 葛原妙子

 2017年9月7日発売『文學界』10月号に「新人小説月評」掲載中です。温又柔さん、三輪太郎さん、水原涼さん、木村紅美さん、壇蜜さん、青木淳悟さんの作品です。どれも面白い。ぜひ小説の方へ。

文學界』10月号に「新人小説月評」掲載中です。世界文学としての温又柔。歴史と四つに組む三輪太郎、水原涼。一筋縄では行かない人間関係を描く木村紅美。ほんのり怖さがあるデビュー作の壇蜜ファミコンソフト「プロ野球?殺人事件!」を本歌どりした青木淳悟。どれも面白い。ぜひ小説の方へ!

文學界2017年10月号

文學界2017年10月号

「高校生活指導」2016年・202号に寄稿しました

高校生活指導―18歳を市民に〈2016・202号〉性の多様性と学校教育

高校生活指導―18歳を市民に〈2016・202号〉性の多様性と学校教育

 「高校生活指導」2016年・202号に寄稿しました。「高校生活指導」は、高生研(全国高校生活指導研究協議会)の機関誌です。今回は、「生の多様性と学校教育」特集でした。「性的マイノリティにとっての学校の生きづらさ」ではなくて、「性的マイノリティにとって生きづらい環境を与えてしまう学校」を問うてみることが大事だと思います。

PDF。
https://drive.google.com/open?id=0B8sFT8GR1Sj2MVJUVWRHbFpjZk0